わかってもらえないのは“視座”のせい?関係性を壊す思考のクセ

否定するほど嫌われる本当の理由と、信頼を育てる関係のつくり方

「がんばってるのに、なぜか売れない」
「一生懸命届けてるのに、誰も紹介してくれない」

…そんなもどかしさを感じたこと、ありませんか?

SNSでも、人とのつながりでも、できるだけ誰にも嫌われたくなくて、
あたたかくて安心できる場を作ろうと努力してきたはずなのに。
なぜか、信頼や推薦にはつながっていかない——。

それはもしかしたら、
「優しさのつもりでしていること」が、逆効果になっているかもしれません。

今日は、セミナーでお伝えした「否定」と「自己重要感」をテーマに、人間関係が壊れてしまうカラクリと、
推薦される関係性の築き方を、少しきびしめに(でもあたたかく)お伝えしたいと思います。


「否定するだけ損する」そのワケ

まず、シンプルにひとこと。

人は、否定された記憶をずっと忘れません。

なぜなら、否定された経験は「傷ついた」として脳に深く残るからです。
人は“生き延びるため”にネガティブな出来事を強く記憶するようにできている。
だからこそ、たとえ相手に悪気がなかったとしても、

  • 話を途中でさえぎる
  • 「でもさ〜」と否定から入る
  • 「それは違うと思う」とつい言ってしまう

これらの行動が、相手の心に「危険信号」として刻まれてしまうのです。

そうなると、その人はもう、安心して話しかけてくれなくなる。
いつの間にか「話しかけにくい人」になってしまい、
信頼関係の芽がそこでつぶれてしまうことも…。


自己重要感を傷つけるのは、否定だけじゃない

そして、実はもっと厄介なのが「自己重要感(=自分には価値があると思いたい感覚)」を
知らず知らずのうちに傷つけてしまっていることです。

たとえば、相手があなたのことを素直に褒めてくれたとき。

「いやいや、私なんて全然…」
「そんなの誰でもできますよ〜」

——これ、やってしまったことありませんか?

一見、謙虚で控えめな対応に見えますが、
このやりとり、相手の気持ちをまるごと否定していることになります。

相手は、「素敵だと思ったよ」「価値があると思ったよ」と、
あなたにプレゼントを渡そうとしてくれたのに。

その思いごと、ばっさり突き返してしまう——。

これが続くと、
「この人に何を言っても受け取ってもらえない」と思われ、
関係性そのものが遠のいていくのです。


「わかってほしい」は、時に“押しつけ”になる

さらに見落としがちなのが、
正論や自分の意見を一方的に主張してしまうこと。

これは、決して悪意があるわけではありません。
「伝えたい」「わかってほしい」と思うからこそ、
言葉が強くなったり、相手をねじ伏せようとしてしまう。

でも、それは“対話”ではなく、一方的な押しつけになってしまうのです。

わかってもらいたいなら、
まず「わかろうとする姿勢」が必要

見えない背景を想像したり、
相手がどんな思いを抱えているかに思いを寄せる。

そういった「視座の高さ」こそが、
人から選ばれる、推薦される存在に必要な資質なのです。


「優しさだけの関係」は、長続きしない

「仲良しこよし」「誰にも嫌われない関係」
…それが理想のように思えるかもしれません。

でも、ビジネスの視点で人と関わるなら、
その優しさは時に「ぬるさ」や「信頼のなさ」になってしまうことがあります。

  • 耳障りのいいことばかり言う
  • どちらかが我慢して成り立っている関係
  • 本音を言わない“優しい”コミュニティ

これらはすべて、信頼とは逆の方向に向かう関係性です。

本当の意味で「推薦される人」になるには、
自分の価値をちゃんと受け取り、相手の価値も丁寧に扱う、そんな姿勢が不可欠。

「優しさ」だけでは、信頼は育たない

見えない部分を想像できる人が、推薦される人になる

どんなに優しい言葉を選んでいても。
どんなに「平和主義」で丁寧に接していても。

それだけでは、人から推薦される関係性は生まれません。

なぜなら——

■ 見えていない部分を想像する「視座」が問われるから

例えば…

  • 今、相手はどんな状況か?
  • なぜその行動を選んだのか?
  • どんな思いが背景にあるのか?

こういった「想像する力」は、単なる“気配り”ではなく、
信頼構築や人間関係の根幹を支える力です。

見ようとしない・知ろうとしない姿勢は
「自分の視座の低さ」を露呈する恥ずかしい行為でもある。

想像しない、知ろうとしない、配慮しない。

もしくは、非や過ちに気づいたにも関わらず謝らず我を通し切る。


これらはすべて、
「自分の主張だけで完結する、薄っぺらな関わり方」になってしまいます。

その結果、どれだけ言葉が優しくても、
「この人とは深く関わりたくない」と思われてしまうのです。


「仲良しごっこ」では通用しない世界がある

特に、ビジネスを前提にした関係性においては、
ただ気が合うだけの人間関係では、通用しません。

甘え合う関係ではなく、
「お互いを高め合える関係」を築けているか?

  • 相手を一人の人間として尊重できているか
  • 自分の魅力やスタンスも、誠実に「魅せられて」いるか

このバランス感覚を持っている人に、
人は信頼や推薦を託します。

「仲良しだから」「やさしいから」ではなく、
信頼できるから、任せたい。紹介したい。
そう思われるのは、思いやりに+αの“視座”がある人です。


✅ まとめ:ただの“いい人”で終わらないために

  • 正論や自分の主張ばかりでは、対話は成立しない
  • 想像力と共感力が、“大人の信頼関係”を育てる
  • ビジネスの文脈では、「ただ優しい」だけでは不十分
  • 見えない部分に目を向けられる人こそ、「また会いたい」と思われる

🕊 行動への問いかけ:

  • 「それって今、私が“わかってほしい”だけの主張になっていない?」
  • 「相手の立場や背景を想像してみたこと、最近あるかな?」
  • 「この会話のあと、私の“印象”はどう残るだろう?」

あなたが誰かにとって「安心できる存在」になり、
信頼と推薦が自然に生まれていくために。

今日から、“見えないところを想像する”一歩を、始めてみませんか。